「おしゃれな新婚家庭は乳幼児の文字環境として砂漠のようだ」
国立情報学研究所社会共有知研究センター長の新井紀子教授が、twitterで幼児教育についての私見を述べられていました、
大変に興味深い内容でしたのでここにシェアします。
新井教授はロボットは東大に入れるかプロジェクトやリーディングスキルテストの作成実施を通して
AIはリーディングスキルがないため東大には入れない
しかし多数の学生はリーディングスキルがないAIにも劣ってリーディングスキルがない
と主張されており、現在は教育のための科学研究所設立し同代表理事を務めていらっしゃいます。理知的で細やかでそして情熱的な、在り方のとても美しい研究者です。
そして手作り弁当がいつもおいしそう。
先端研究の当事者がその知見を踏まえつつ、幼児教育・家庭教育についてここまで具体的な提言をされることは大変めずらしいことだと思います。
保護者のみなさんや教育関係者におすすめです。
ぜひお読みください。
最近、もっとも懸念しているのは、「おしゃれな新婚家庭は乳幼児の文字環境として砂漠のようだ」ということです。インタビューでもお伝えしていますが、部分的にしか掲載されないと思うので、一応全部書きます。これは科学的に確認できていません。私見です。
— 新井紀子/ Noriko Arai (@noricoco) December 1, 2017
まず、「月日、曜日」が漢字で入っているカレンダーを壁にかけて、それでイベントの共有をしてほしいです。たとえば「12月10日日曜日、ディズニーランド」のようにです。カレンダーは数の並びを自然に理解するのに非常に有効な手段です。
— 新井紀子/ Noriko Arai (@noricoco) December 1, 2017
小1で「じゅういち」を「101」と書く子、相当います。
できれば小学生以上の家庭では、トイレには日本地図(または世界地図)を張ってほしいです。
— 新井紀子/ Noriko Arai (@noricoco) December 1, 2017
朝ごはんのときには、ラジオをかけてください。ニュースが含まれるものが望ましいです。ニュースを聞いたことも見たこともな状態で小学校に入るととても大変だと思います。
— 新井紀子/ Noriko Arai (@noricoco) December 1, 2017
ラジオは耳から入ってくる情報だけでリアルを想像しないといけないので、情報処理能力が鍛えられると思います。
最後は小学生をもつお父さんへのお願いです。
— 新井紀子/ Noriko Arai (@noricoco) December 1, 2017
AV見てないで、本棚の一番上の子供の手が届かないところに官能小説を本の背が見えないようにそっと置いてください(苦笑)。
ときどき、そっと取り出して読んでください。子供は両親が留守のときにきっとそれを手にとって大量に語彙を学びます。
できれば、紙の新聞を購読してください。それが嫌なら、せめて本を買ってください。それを読む姿を子どもに見せてください。
— 新井紀子/ Noriko Arai (@noricoco) December 1, 2017
自分が本を読まないのに、本を読む子に育てるのは難しいです。
というわけで、おしゃれな家は、読解力の敵、と私は思っています。
— 新井紀子/ Noriko Arai (@noricoco) December 1, 2017
順番に科学的に示していくつもりですが、どういう仮説があるかは、予めお伝えしました。
小学校の教科書で必要な語彙を身に着けるのは不可能です。語彙検定しても難しいです。それでは語にリアリティがないので。
時代劇お勧めです!
あー、でも、「環境文字砂漠」なおしゃれな新婚家庭の人が、私のtweetフォローしてる気がしないので、こうやって頑張って伝えてもその人たちに到達しないかもしれないのがやや空しい。
— 新井紀子/ Noriko Arai (@noricoco) December 1, 2017
誰か伝えて~。
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