イルムアカデミアSUNDAY〈フィンランドの事例から教育者として何ができるか考える編〉開催しました。
講師は高坂翔輔(たかさかようすけ)先生。
私はヨースケと呼んでます。
まずは自己紹介。
「はじめて行った海外旅行は北朝鮮です」
「こんなスタンスで参加してほしいと思っています」
「フィンランドの教育現場でも大切にされている、自分の考えを伝え合いやすい〈安全な環境〉で進めていきましょう」
「1人1分で、近くの方と自己紹介をし合いましょう」
ここからは話を聴きながらとったメモを紹介。
・フィンランドの地理
日本からヨーロッパに行くとき、いちばん近い国がフィンランド。10時間くらいで行ける。面積は約34㎢で日本の9割。人口は約540万人でほぼ福岡県と同じ。森と湖の国。森は国土面積の70%を占める。湖は19万ヶ所。白夜と極夜。EU加盟国。
・消費税
消費税は24%。
・聴くだけの授業はやめた
フィンランドの小学校では15分間以上ただ聴き続けるだけの授業はしなくなった。身体によくないという科学的実証がされたから。そして小学校のイスは人間工学に基づき「正しい姿勢で座らないとずり落ちるイス」が使われている。
・宿題はない?
「宿題はない」は半分本当。普段はちょっとある。週末や長期休業はない。
フィンランドの先生「だって休日は休む日でしょう?」
・教育制度
小学校の時間割はクラスによって違う。義務教育は9年間。7歳で入学。17歳までに基礎教育(義務教育)を修了すればよい。基礎教育修了時点での成績の高い人から次の高校や職業訓練校に進学。そのため成績不十分と判断した場合は1年間基礎教育を延長できる。進学に伴う入試は大学進学まで存在しない。
・教師は難関資格
フィンランドで教師になるためには修士必須。日本で言えば医師や弁護士と同じくらいの難関。
・小学生の職業体験が実践的ですごい
小6の職業体験の事前学習内容。
・仕事とは
・経済とは
・税金とは
・ビジネスとは
・公共サービスとは
・仕事探しについて
・給与とは
・利益とは
・広告とは
これらについて10時間学んでから職業体験。体験できる職業は75種類。一人一人が違う職業を体験。希望が被ったら面接で選抜。就活も体験。
・実践により学ぶ
Learning by subjects
ではなく
Learning by topics
そして
Learning by doing
・フィンランドにおける教育の目的
輸出に依存していたフィンランド経済はソ連崩壊により停滞。失業率か18%に。ノルウェーと異なり資源の無い国であるフィンランドは「人材こそ資源」との考えで国運をかけた教育改革を実施。この旗振りをしたのが当時29歳の教育大臣。元中学校教諭。学校教育を無料化し、教員資格の取得条件を難化し、教育のやり方を現場に任せた。目的は「良き納税者を育てる」こと。
・フィンランドにおける教員採用
フィンランドの教員採用は自治体ではなく学校単位で実施。各学校が求める人材を採用する。そして候補者もまた自分の働きたい学校に応募する。応募のポイントは「ボスはどんな人か」。異動はない。
・競争とは無縁の教育
フィンランドの教育には競争という概念がない。それゆえ平均点も存在しない。大切なのは自分を高めること。
フィンランドのある校長先生
「赤でバツをつけるのではなく、緑でマルをつけよう」
・フィンランド人が考える日本のいいところ
・親切
・サービスレベル
・礼儀正しい
・食べ物おいしい
・時間きっちり
フィンランド人
「3分遅れで申し訳ありませんってヤベェよ」
・よい先生とは?
Q.よい先生とは?
A.フィンランドの中学生
「一人一人の話をよく聴いて理解してくれる先生」
Q.よい先生であるために必要なことは?
A.フィンランドの先生
「先生自身が幸せであること」
おしまい!
フィンランドの教育を手放しで礼賛したいわけではなくて、学んだことを抽象化して、土壌の異なる日常に実装することに意義があるのだと思います。
一人一人が幸福になるための実践のヒントを学び得るために。
私たちも今日の学びを、ここでのこれからの学びに生かしていきたいと思います。
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