「成功体験」の罠

「成功体験が大事」とはよく言われる。


成功体験を育むとは


「子ども自身の興味関心や成長欲求を端緒とする自発的な試行錯誤を通して行われるもので、子ども自身によるリフレクション(反省・内省)もその成果に含むもの」


でこそ意味があると思うのだが、過去を生きてきた大人が今を生きる子どもを導こうとする教育の現場(家庭も含む)においては

「大人がかつて子どもだった時代の価値基準で有用とされた行動を意味もわからないままにトレースさせ〈そのうちわかる〉と成果は保留すること」


になっている気がする。


子どもがいま何にエネルギーを費やしどこに向かっていったらよいのかについて考えるとき、大人は過去の自分の経験を振り返り、子ども自身はトレンドを捕捉する。


それぞれが別々の時制を参照しているから、成功体験というものを双方了解した形でアップデートすることが難しい。


変化が速く激しい世の中にあってはこのギャップはますます大きくなり、過去の成功体験をベースにする大人と現在を生きる子どもの間で交わされる「未来についての対話」はますます噛み合わなくなっていくだろう。


つまり成功体験は陳腐化する速度を高め、挑戦することの大切さや失敗を奨励することについて伝えることがその有効性を高めていく。


子どもの挑戦をその手前で挫くのは大抵、挑戦したことのない、でもその子のことがどこまでも大切で、失敗させたくない、お節介で愛すべき大人たちだ。


そしてこれからの教育について考えるとき、勇気や覚悟が求められるのもきっと、そんな大人たちの方なのだと思う。


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